しゅー太の奇譚回想記

興味の赴くままに、風のようにふらふらと

カウンセラーは答えない。

こんにちは、しゅー太です。

 

 

今回はカウンセラーについて、その中でもとりわけ稀によく見る

カウンセリングを受けに行ったのに、アドバイスをしてくれなかった!」という問題について書きたいと思います。

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何のために行ったのかわからなかったら、

そりゃ不満も出ますよね。

 この手の主題はネットでも検索すればそこそこ出てくる内容ですが、色んな理由が出てきます。

ここでは自分が調べてパッと見なかった”1つにはこんな理由があるんだよ”と言うのを紹介・・・というか知ってほしいなと思い記事にしました。

※なので、これが絶対の理由という訳ではないのをご承知おきください。

一応大学では臨床心理学を専攻し、かつてはカウンセラーの(腐った)卵だった自分が、その時に学んだ内容を基にしてます。 

 

 ■カウンセリングに求めるものとは

さて本題に入る前に、少し整理しておきたい言葉があります。

それは”アドバイス”です。

一般には『助言』とされる意味の言葉ですね。

 

冒頭にも挙げた「カウンセラーにアドバイスをしてもらえなかった」という言葉ですが、ここで言う”アドバイス”とは何を指しているのでしょうか。

私気になります。

皆さんにも考えてほしいのですが、皆さんならどういった時に、カウンセリングを受けに行ったり、知人友人にカウンセリングを勧めますか。

 

僕が思うに大体の人は「心がしんどい時」が該当すると思います。

悩み等でストレスが溜まってしまってどうしようもなかったり、それが行き過ぎて鬱になったりとか。

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「まぢ病む」ってやつですね!

では、この状態で私たちが貰いたいアドバイスとは何か。

僕は『状況打開に対する解答(何をしたらいいか等)』だと思っています。

自分でなんとかできているなら、そうしている。できないからカウンセラーを頼っているのです。

話を聞いてもらって楽になるというのは確かにあると思いますが、まさかそれだけと言う人は少ないんじゃないでしょうか。

 

カウンセリングって高いんですよ。1回50分1万円くらい。しかも予約が中々取れない。貴重な機会です。可能な限り有益な内容にしたいですよね。

※ちなみにこの金額設定とか時間制限にも意味があるんですよ。

 

でも文句(あえて文句とします)が出る。出てしまう。

その理由は「カウンセラーが聞いているだけ」だった。正確にはカウンセラー側から能動的な発言(解決策の提示等)がないという場面に直面してしまうことにあります。

 

つまり、クライエント(※)が望んでいるものとカウンセラーが提示するものが異なるこのミスマッチな状態により、クライエントは「カウンセラーが何もしてくれなかった」と感じるわけですね。

※クライエント:カウンセリングを受ける人のこと。

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あなたを職務放棄の罪で訴えます!

覚悟の準備をしておいてください!!

クライエントの期待する対応≠カウンセラーの対応 

 

じゃあ、カウンセラーが対応を変えればいいじゃないかと思われるかもしれませんが、果たして本当にそれでいいのでしょうか。

 

少し前置きが長くなってしまいましたね。本題に入りたいと思います。 

 

■”アドバイス”がもたらす結果

カウンセリングを少し身近なものに置き換えながら話していきます。

 

突然ですが、皆さんは因数分解を覚えていますか?

初出は義務教育である中学校教育の中で触れる単元なので、ほとんどの方はなんか聞いたことあるわぁと感じるかなと思います。

思い出せない兄貴姉貴、大丈夫。この話を読む上ではぶっちゃけ関係ないから。

 

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さて、今皆さんは中学生です。

ちょうどこの間の授業で因数分解を習いましたが、どうにも苦手で今日の授業で当てられる所の問題が解けません。

そこであなたは”答え”を教えてもらおうとクラスで頭のいいAさんところに行きました。

 

あなた「A、ちょっといい?『9x^−12x+4』が解けないんだけど、教えてくれない?」

Aさん「あぁ、それは『(3x−2)^』が答えになるよ」

あなた「お!サンキュー!」

 

とまぁこんな具合に目の前の問題を解決したとしましょう。

これで今日の授業はバッチリOKですね。

 

さて、授業後には当たり前のように宿題が出されました。

相変わらず因数分解はよう分らんちんのままです。

さて、あなたはこの後どんな行動を取るでしょうか。

 

結構な確率で、またAさんのお世話になる可能性がありますね。

どうしたらいいのかわからないなら、その答えを知っている人に聞くのが一番簡単で楽ですから。だから、先もAさんに聞いたのです。

という訳で、今回もAさんに”答え”を教えてもらい問題を解決しましたとさ。

 

めでたしめでたし。

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・・・はい。

雑な例え話はここまでにして、なんとなく言いたいことが伝わったでしょうか。

”その時だけの答え”を教えてもらった場合、何が起こるかと言う話です。

結論としては、「別の問題にぶつかったら、また頼ることになる」。

これが今回の話の一番重要な部分になります。

 

■カウンセラーのしたかったこと

カウンセラーは何も嫌がらせで、何も言わないのではないのです。

クライエントと向き合う中で何を大事にしているかというと「困難な状況が発生した際、どう対応すれば本人にとって一番良いか」を見つけてもらうことにあります。

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君ならきっと見付けられる。

君だけの、解決方法を。

 カウンセリングを受けに来た理由が”困難A”であったとして、それを解決できても”困難B”で躓いてまたカウンセリングを受けに来るのでは意味がないのです

カウンセラーだって、願っているのはクライエントがもうクリニックに来院してこないことですから。

 

さて「一番良い」方法は人それぞれ違います。

これをどうやって見つけるのか。

かなりざっくりふんわり砕いて説明しますが、カウンセリングの中にはこういった考え方があります。(本職の人いたら許して。)

"解決方法はクライエントが知っている。"

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ここが知っている。なくすなよ。

は?って感じですよね。

というか、これめっちゃずるくないですか?

僕は初めて聞いた時ずるいと思いました。

だって、わかんないから聞きに来ているのに、「お前はもう知っているんだぜ!」ってカウンセラーは考えているってことですよ。

責任負いたくない言い訳みたいだなって。

 

でも、よく思い返してほしいのですが、たまたま今回は手に余り、カウンセリングを受けたのかもしれません。

しかしながら、今まで生きてきた中で小さかったとしても困難にぶつかり、それを乗り越えてきたあなたがいるはずなのです。

挫折したことがない人とか何不自由ない暮らしをしていた人は知らん。

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でも今回はダメだったよ。

確かに今回はダメだったかもしれません。

でも今までの自分が、困難と向き合ってきた時の行動がここまでのあなたを造っているのです。

その蓄積の中にあなたなりの経験則が眠っていたり、対処法が隠れている。

だからそれを見つけましょう、と。

また、問題に対してあなたの視点が偏ったところで固定されていて、本当は大したことがない(問題の重要度が高い低いではなく、「あなたが向き合う価値はない問題」などと言う意味)ことに気づくかもしれません。

※本当は自分の問題じゃないのに自分の責任とか悩みとして抱えてしまうとか。

 

そういった意味で、カウンセラーとはクライエントにとって一種の鏡になるのです。

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PSYCHO-PASS』1期オススメだから見ろ

(画像は2期)

勿論、全員が全員この方法を取るわけではありませんし、このやり方だけをすることもないと思います。

抗うつ薬を処方するのも一般的ですし、それこそ”アドバイス”を送るカウンセラーもいるでしょう。

その中でも何もしてくれないカウンセラーは、いるとしたら少数派で、実際にはクライエントと一緒になってどうしたらいいのか考えたり、そのための道案内をしてくれているのだと頭の片隅にでも置いておいてもらえたらなと思います。

 

■最後に...

僕がこの記事を通して言いたかったのは、カウンセラーとの向き合い方、ある種のコミュニケーション方法です。

カウンセラーに対する誤解をもたらしたくなかった半分、クライエントになった際どういう面持ちで臨めばよいかの一つの例を知ってほしかった半分の気持ちで記事を書きました。

こういう対応をしてくれるカウンセラーに出会ったら、しっかりと”使って”あげましょう。それがお互いのためになります。

 

ここまでお付き合いいただき、また貴重なお時間をいただきありがとうございました。

少しでもカウンセリングがよりよい時間、ひいてはその後の人生がよりよいものになる知識の一欠片にでもなってくれれば幸いです。

 

 

画像で年齢層ばれるやーつ。